甲斐駒ヶ岳の麓に息づく千年の桜

田富工場から車で40分ほど走らせたると北杜市へ辿り着きます。
そのシンボルのひとつが、南アルプスの名峰・甲斐駒ヶ岳です。
鋭く切り立つ白い岩肌が特徴的なこの山は、標高2,967m。
登山者だけでなく、多くの人を惹きつける存在です。
そんな雄大な山の麓に、もうひとつの「時を超えた存在」があります。
それが、実相寺の境内に立つ「山高神代桜」。
推定樹齢2000年とされるエドヒガン桜で、日本最古級の一本です。
春になると、甲斐駒ヶ岳の残雪を背景に、神代桜が満開の花を咲かせます。
雄大な山と、たおやかに咲く桜。その対比は、まさに北杜の春を象徴する光景です。
この桜は単なる観光名所ではなく、地域文化や歴史を今に伝える「生きた文化財」。
春のわずかな時期にしか出会えない、その姿は、一見の価値があります。
甲斐駒ヶ岳に抱かれるように咲く神代桜。
自然の力と時間の重み、その両方を感じる旅になるはずです。
忙しない日々の中でもこうした場所にふと立ち寄る余白を、大切にしたいですね。
